つい最近まで、ゴブリンという部族デッキは不当な評価をされてきた。

そもそもが既に完成されきったデッキという側面もあり、新セットが発売されてもそれがゴブリンデッキに与える影響は乏しく、いつしか表舞台からその姿は消えていった。

しかしアヴァシンの帰還は、日陰者だったゴブリン達に希望を与えた。《Force of Will》を恐れずに唱えられる《ゴブリンの従僕》は、ゴブリンデッキの再興を期待させるには十分だった。それだけのインパクトが、《魂の洞窟》というカードにはあった。

そしてそれは、《相殺》を携えたデッキに最後の引導を渡すかに思えた。

全てのクリーチャーが実質的に打消し不可能になりうる。この事態は、世の《相殺》使い達に止めを刺そうとしているようであった。

しかし《相殺》は生き残った。《終末》と《天使への願い》というビッグスペルを獲得し、これまでの《相殺》デッキとは全く異なる姿に変貌し、再びトーナメントシーンの最前線に戻ってきた。

一度は地獄を見た二つのデッキが、今、激突する。


Game 1

ダンノのゴブリン軍団をトリコロールの吉原が丁寧に受け流していく。

《ゴブリンの群集追い》《ゴブリンの戦長》と展開したところで、まず《終末》で一掃。《ゴブリンの従僕》《ゴブリンの女看守》《ゴブリンの戦長》《ゴブリンの首謀者》と並べば、これも2枚目の《終末》でまとめて対処した。

《ゴブリンの首謀者》で引き増しているとはいえ、度重なる全体除去の前にダンノに疲弊の影が見え隠れする。メインボードに仕込んだ《Pyrokinesis》をここで固め引いてしまい、どうにも使いどころが見つからない。

十分なマナベースと手札を完成させた吉原は、《ゴブリンの女看守》2連打を《Force of Will》でカウンターし、《ゴブリンの酋長》には《剣を鍬に》、《ゴブリンの群集追い》には《稲妻》。確実にダンノのクリーチャーを対処し、アドバンテージ差を広げさせない。

《ヴェンディリオン三人衆》で安全確認の後、ついに吉原が攻勢に転じる。ここでダンノに《Pyrokinesis》を使わせ、彼の手札を実質的にゼロにまで追い込んだのだ。

ゲームを完全に掌握した吉原は、《精神を刻む者、ジェイス》が与える豊潤な手札を使って、2体の《瞬唱の魔道士》によるビートダウンで速やかにダンノのライフを削り切った。

ダンノ 0-1 吉原


Game 2

開幕ターンの《霊気の薬瓶》が《Force of Will》されるという、レガシー環境ではもはや定番の模様からゲームは開始した。その返しで吉原は《師範の占い独楽》を設置して、《Force of Will》のために失ったアドバンテージを取り戻しにいく。

ダンノは次の脅威として、《魂の洞窟》を経由した《スレイベンの守護者、サリア》をキャスト。デッキの大部分がノンクリーチャー呪文で構成される吉原のデッキに対して、非常に効果的な1枚といえる。さらに《ゴブリンの従僕》×2が後続として呼び出されるのだが、吉原は順にそれらを《稲妻》して攻撃を通さない。

その後《ゴブリンの戦長》と《ゴブリンの首謀者》に数回殴られたところで、吉原は一旦《終末》で場をリセットした。

しかしダンノもここまでの攻防で《ゴブリンの首謀者》と《ゴブリンの女看守》を絡めたアドバンテージを獲得していて、まだまだ十分な戦力を残していた。たとえば、手札に控える《包囲攻撃の司令官》は、そう遠くない将来にダンノに勝利をもたらすという期待があった。

しかし、ダメージレースの計算は、一瞬にして狂った。

吉原が公開したドローが、《天使への願い》だったからだ。

突如現れた天使トークン。その数、6体。

ダンノ 0-2 吉原

吉原win!

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